vol.89 2002年12月3日

* <鴨出し編・その3>

 お盆明けの8月17日、鴨出しの第2弾が行われました。この日、カモをもらってくれるのは、清水市の秋山さんと、そのお友達の元学校の先生。たまたまですが、秋山さんは、昔、オートバイ誌を読んでいたそう。そう、若かりし日のレイコを知っているのです。だからというわけではないですが、レイコ一番のお気に入り「ピッコリーナ」をお譲りすることにしました。
「ピッコリーナ」は体が小さいため、みんなに押しつぶされて足を痛めた子です。すぐにお風呂場に隔離し、付きっきりに近いカタチで看病しました。他の子が田んぼに出た後も、小屋で足の回復を待ち、毎日虫を捕っては与えていました。それだけに別れの気持ちはひとしおです。
 当日はBSフジの撮影が入っていたのですが、レイコの気持ちはそれよりも、ピッコリーナ達が安心して旅立つことに集中です。エサをあげながら、撫でながら、声をかけながらそっと&素早く捕まえ、そして優しく木箱へ移します。その様子は、周りの者が声をかけられないほどです(知らなかった・・・by Reiko )。
 ひぐらしが鳴く夏の夕暮れ、鴨の羽音とレイコの「大丈夫よ」「イイコね」だけが田んぼに響きました。(このあたりはまだ傍観者だった、いそうろうまりこ)

6月初旬。はんちゃんが朝、田んぼから取って来た「浮き草」を放った専用プールでリハビリ中のピッコリーナ。そこへ雀の親のように、レイコが虫を捕ってきては投げ込む→ついばむ。ついばむ様子が可愛くて、いつまでも見ていたくなるんだ♪ 昨年の「アキちゃん」そっくりなクロちゃん。手からしかセリを食べなくて、とってもなついていた子でした。 BSフジのカメラが回る中、カモを右の黒米田んぼに入れ、短幹コシヒカリと黒米の間に柵を作る。

いつものエサ場に集めて、最後のエサやり。みんな、たんとお食べ〜。

あ秋山さん(真ん中)とお友達。エサをついばむカモの様子に、すでにイチコロ(?)。

警戒心や恐怖心を植えつけないように、そっとそっと。手からエサを食べているようなら大丈夫。

羽を痛めぬように、でも離さぬように。手にカモちゃんのドキドキが伝わります。大丈夫だよ〜。


無事にキャリーバックに収まりました。カゴの外からも声をかけます。
ピッコリーナはもちろんレイコが捕まえます。虫を捕った日々がよぎります。

秋山さんがピッコリーナを含む3羽、彼の仲間が4羽引き取ってくれました。可愛がってもらうんだよ。

 
2回の鴨出しで一気に17羽がいなくなり、残るは7羽。ガアガアと賑やかだった田んぼが、ウソのように静まり返ってしまいました。ひぐらしのカナカナが、とてもよく聞こえた夕景でした。  
次へ(2002年12月4日)


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