2011年5月29日

■ 富士トレイルクリーンアップ大作戦♪

 あれは、もう一昨年のこと。NHK-hiの「激走モンブラン~166km山岳レース〜」で、噂に聞いていたUTMBの全容を知り、「なんじゃこりゃ〜!」。すっかり魅せられ、以来私の人生はトレラン一色になってしまいました。山を走る楽しさや喜びや収穫は、今までのすべての遊び(登山、散策、ランニング、アドベンチャー、ラリー)を足して割ったような…いえ、足して膨張させた様な感じ。年齢と共に体力はなくなっていくのに、なぜか楽しい。「体力があった時は、そこ(闘う)に意識がいっちゃう」からでしょうか。今は、自然にも仲間にも声を掛け、いろいろ教わりながらユルユルと走らせてもらっています。

 なあんて…、実は昨年からのUTMF(富士山ぐるぐる)の実行委員として動き出してからは、激動の日々! 以前書いたかもしれませんが、毎日のように富士宮界隈の町や山や川に繰り出し(熊のよう?)、ルートを模索&交渉していました。人生始まって以来の大変さで、「このまま私は何処へ行くのだろう」と思うことしばしば。朝から晩までGPSやら地図とにらめっこ。寝ててもうなされ、起きたらトレランウエアで飛び出し(楽チンですが、会議等では驚かれ)、カフェはま〜ったく手伝えず。相棒には呆れられ、動物からも「カアチャン、いい加減にせーよ(早く遊んで)」と厳しい目線が飛んできたものでした。スタッフ全員が、それぞれの担当で同じだったと思う。「これが報われるのは、大会終了後」と、それだけを夢見て動いていました。

 そして3/11、大震災。続く富士宮を震源地とする地震の発生でした。みんなで話し合い、パンフレット完成間近だった3/23に延期を決定。選手と同じように、風船の空気が抜けたようになったスタッフでしたが、ゴミ拾いをすることだけはすぐに決定しました。レースはやりたかったけれど、このハードな準備期間で一番培われたのは、「富士山の自然を思う気持ち」でした。たくさん触れればその凄さが分かる。触れるに一番いいのは、なんたってゴミ拾い。もちろん練習も大切ですが、走る喜びや感謝を育てるゴミ拾いは幾度もやりたかったことでした。そして、それはやはり、みんなが予定していてくれた5/21~22日以外にない!と、すぐに決定したのです。

 今回の2日間のクリーンアップ大作戦。すべての答えは、写真の中にありました。歩き始めてすぐに思ったのは、「やっぱりUTMFスゴイ!」と言うこと。自主参加とはいえ、催してよかった。大会実行委員でよかった。ゴミ拾いが好きでよかった。富士山でよかった。トレランでよかった。たくさんたくさん、よかったがありました。関係者として動いてきて、こんな感触は初めてでしたし、改めて参加してくださる皆さんあっての大会と強く確信! そして、富士山をお借りしてという気持ちにみんなでなれたこと、ホントに貴重な経験をさせて頂きました。

 2日間で、参加してくれた人は、推定(自由参加なので把握困難)150人。拾ったゴミは、約555kg。ルートの半分(静岡方面)は市有地や自衛隊などで通行できないところが多かったため、山梨の山岳ルートを中心とした約80キロのハイキングでした。詳細は富士トレイルランナーズ倶楽部のフェイスブックで見られますので、ぜひご覧下さい(私の担当でなかった区間の写真もバッチリで〜す)。みんなの呼吸が伝わってくるはずです。本当に「アリガトウゴザイマシタ!!」。


 5/21(土)9時。「道の駅朝霧高原」に集合したトレイルランナーたち。遠くからの参加者も多く、間に合わなかった人や、先に10名で出ていったチームもあり。いずれも、みなさんゴミ袋はたくさん持ってらっしゃいました。


ボランティアスタッフを募るお手伝いを申し出てくれた地元の「TEAM富士山」は、女性3名での参加。「こうやって走るんだよ」「わあ、面白い!」。ほんの100メートルくらいでしたが、トレランの雰囲気を味わっていただけました♪
広葉樹林も多い「東海自然歩道」はとっても素晴らしい道です。でも、車が入れるポイントには、哀しくなるようなゴミがいっぱいでした。とても手で運べないので後日回収することに。デポだけでも270キロありました〜! 途中で信越五岳優勝(110キロを11時間)の相馬剛選手(左)と遭遇。鏑木さんと先まで行っての帰り(60キロ!)ですが、余裕でした。往復して戻るランナーが多かったなあ。いつもの道が綺麗になるのは、気持ちいいものです。

15キロ歩いて、本栖湖の桜の下でゴール。みんなすっごくいい顔。いろんな人といろんなこと話しながらの歩きは、一言でいうと「楽しい!」。ゴミの多さには、本当に唖然&呆然&憮然でしたが、何処もスッキリ気持ちよ〜し。
本栖湖→根場浜までの15キロは、2009年UTMB8位の山本健一さん(感激の飛び入り)と2009年UTMB6位の横山峰弘さんがゲストでラン&ゴミ拾い。根場浜に横山さんがいらっしゃったので、実行委員のかこさんと、即席ピンク軍団結成です。 そして河口湖の大石公園では、根場浜からの15キロを行った実行委員でランナーの福田六花さんと2009年UTMB女子9位の馬瀬ちがやさんが、ゴールしてました。一日目、45キロの道のりを約90人で350キロを拾いましたよ!

夕方には、富士レークホテルでの懇親会も行われ、たくさんのランナーと会えました(一枚ですみません!)。さて、ここで重大発表が! UTMFは一年後に開催予定ということを鏑木さんに伝えてもらい、同時にHPにアップ。
トークショーは、右より地元山梨のルート作りに奔走した六花さん、いつもほんわりのちがやさん、実行委員長の鏑木さん。この後、仲間のお酒をちがやさんと2人で呑んじゃったり、お布団の中でのお喋り、楽しかったなあ〜。 こちらは、私の横が横山さん。あれ、これってアスリートトークショーだったのでは? 私ぃ?? 「ここに居る人って、全員今年のUTMBに出る人だね」と六花さん。げげ、確かに。でも、トップとビリよりも差はありますぞ。

そして、ランニングドクターとして、UTMFの医療面を支えてくれるはずだった六花さんのライブ。自作のトレランの歌がよかったなあ。さて東北の震災後、岩手県の被災地支援に向かった実行委員たちが幾人もいたのですが。
倶楽部のfacebookを書いているかこさん(陸前高田へGo)が抱えている箱には、参加者から戴いた支援の39,000円が。遠野被災地支援ボランティアネットワークの遠野まごころネットへの送金も完了し、「サンキュー39です!」 さて、翌5/22(日)は、2つのコースで。横山さんと六花&ちがやは丸勝産業から山中湖きららまでの19キロ。実行委員の村越真さんと私は、きららから道の駅すばしりまでの13キロ。鏑木さんは全部! きららを出発した面々は…。

すぐに2キロで標高差300メートルの気持ちのいい登りへ突入。花のような笑顔の参加者ですが、車道との交差が多かったのでゴミが多く、デポをいっぱい置きながらの行進です。濃霧が出たけれど、エイエイオー!
標高1320メートルの三国山頂。右は山中湖村、左は小山町というすっばらしい尾根(富士箱根トレイル)を行きます。天国のように気持ちいいところだなあ〜。真ん中はオリエンテーリングの第一人者で静大教授の村越さん。 最終ゴールは小山町の「道の駅すばしり」。鏑木さんも戻ってきて、雨の中みんなでホッ。この日の収穫は、32キロで205キロだったので、合計555kgなり!本当にご苦労様でした。何度も戻って拾ってくれた人もいたんだよ〜。

小山町のゴミを回収してくれた清掃車。なんて鮮やかな色なんでしょう(私のラッキーカラー!)。市役所の方々も山に入って取材して下さったのですが、可愛い看板や椰子袋を使って手入れされてある路肩など、トレイルへの熱意がひしひし。
車できららへ戻ると、ゴールしたばかりの六花さんとちがやさんに遭遇できました。最後は土砂降りとなり、ウエアもびっしょり! なのにこの笑顔、流石です。どのスタッフもいろ〜〜んな収穫があり、大満足で有意義な2日間でした。

そして番外編は、軽トラでのデポゴミ袋の回収。東海自然歩道で最後のゴミを積んで終了なり(廃材等もあったので、ここだけで270キロだったのね〜)チャンチャン♪ どこもかしこも綺麗になって、思わず走りたくなっちゃいました。


 最後はこちらの女性のステキな笑顔で。霧も、雨も、急坂も、みんなで進めばあら楽し♪ とにかくトレイルランナーの人柄と人海戦術の凄さを痛感しました。みんなの心、シカと受け止めて、一年後開催の準備に向かいま〜す。

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