2011年5月7日

■ 浜岡原発のこと


 5/6に報道された中部電力浜岡原発の全面停止要請。政治的にはいろいろ見方があるようですが、20代のころからの原発不信者としては遅かった感さえあり、実現すれば本当に嬉しい。ツーリングのたびに「地球で最も奇妙な(コワイ)風景」と思っていた原発。今日本は(私は)、ほんとうの豊かさや恩恵とは何なのかを考えるべきなのでしょう。

 反対を声にしていた20〜30代。平和ボケですっかり忘れていた40代からつい最近まで。けれど、福島の現実は、すべての記憶を蘇らせてくれました。そして、先日の川内村探訪。子供も巣立ったこともあり、村に戻って自主的に生活しているニシマキくんや出会った人たちとの会話は、なんとも不思議なものでした。淡々と笑っいながら話しているのだけれど、そこには今まで我々がどんな時でも持つことの出来た未来像は「ない」。と、思った。見えない放射能の恐怖とはそういうものなのだと、肌で感じることができました。

 全面停止要請を受けてのニュースでの街頭インタビュー。「急すぎるのでは」「地元が困るのでは」という意見もあったけれど、震災で想定外の何かがあったら、加えて「もんじゅ」も揺れてしまったりしたら…うーっ。普段の生活はもちろん、立ち入りできない静岡県や日本にはしたくない。電気が足りないことを心配するよりも、そんな危険なものを作ってしまったのだと認めて、即座に止めて欲しい。みなさん、ぜひ20キロ圏内を旅して肌で感じて下さい(と言っても、今はできないけれど)。まさに「降って来た」飯館村の悲劇は、他人事ではありません。

 浜岡原発よ。今までほんとうにご苦労様でした。どうぞ安らかに未来永劫お眠り下さい。
(東海地震があっても、津波があっても、絶対に暴れちゃダメだよ〜っ)。


機能はすべて移転して、空になった川内村の役場には、福島第一原発20キロ圏内の市町村の消防車でいっぱいでした。圏内で作業を終えた人々が、スクリーニングをしていました。ご苦労様です!
柵の向こう側は、もちろんもぬけの殻。この内側にも人影はまばら(報道カメラマンと放射能を測りに来た市役所の方がいました)。廃墟というには奇麗すぎる町並みが、空しい。遠くにわんちゃんの影が見えました。 愛すべき町に人影なく、わずかに家を守る中高年と老人、そして残された動物たちの姿が(餌はあげられていた♪)。快適さと引き換えに失ったものは、あまりに大きい。原発次第で、ここもまたいつ強制退避に指定されるか分からないしね。
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