2002年11月11日

■ 趣味のお時間

 「運動したーい」と、レイコはよく叫びます。「走りた〜い」ともいいます。その度に、みんなで「好きにしなさ〜〜い」と言ってあげるのですが、実際のところ、まあったくと言っていいほど時間がありません。
 そんなある日、いつものようにレイコは、原稿と会計の締め切りに追われていました。外ではゆっくりと毛無山に夕日が沈もうとしています。いつものように穏やかで、いつもよりも暖かい夕景です。突然レイコが立ち上がりました。「お散歩、行って来る!」へえ、行ってらっしゃいまし。チャカチャカとジャケットを着込み、シューズの紐をキュッと締め、意気揚々と農業小屋に向かい、ビニール袋を握りしめて外へと歩き始めました。ビニール袋は、ゴミ拾い用です。ゴミ拾いが好きで好きでたまらないレイコと、ゴミ用ビニールはいつでもセットです。
 そうして「行ってらっしゃあ〜い」っと見送った5分後、草原を走るレイコを発見。なんだ、なんだ? ああ、あのゴミを拾おうとしているのか。あれ? 道を外れて丘に登っていくぞ。おお、ぽや〜っと山を見ているわい。あやや? 一人で踊り始めたけど、なんじゃあ?
 姿が見えなくなるまでの20分、はんちゃんと真理子は「レイコの散歩生態」をたっぷり堪能したのでした。趣味に没頭する人の姿って、本当に面白いですね・・・・・・つーか、レイコさん、あなたは変です。(いそうろうまりこ)

事務所から見える牧草地帯。髪を振り乱してゴミを拾うオンナが一人・・・・・・。
小高い丘に登って、一人踊り始めるオンナが一人・・・・・・。
その迫力に押されてか、夕日も慌てて沈んでいくような・・・・・・。 その草原で踊るオンナを見つめるオンナ。「ホンに変な人や」 約1時間後、とっぷりと日が暮れた頃に帰ってきた。「大量♪ 大量♪」
本当はまだ歩き足りない、いや拾い足りないレイコ。牧草地を振り返る視線の鋭いこと!
自宅敷地内でもゴミ拾いの目は光る。よいしょっと。
そうして、ようやっとゴミと共に去っていくレイコ。この日を境に、散歩癖が再燃した。もしかして、明日にはアナタの草原に現れるかもしれない。

注:朝霧の草原は、主に牧草地。つまり牛さんのご飯を作っている農地です。ゴミ拾いだから注意して入っていますが、普段は絶対に立ち入らないでね。真理子に撃たれても文句言えません!


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